長屋式住宅の売却方法は?難航しやすい原因と対策も解説

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美馬 康介

筆者 美馬 康介

不動産キャリア12年

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長屋式住宅の売却方法は?難航しやすい原因と対策も解説

所有している長屋式住宅を手放したいと考えているものの、特殊な構造や権利関係が複雑で、どのように売却を進めればよいかわからずにお困りではありませんか。
隣家と壁を共有する長屋式住宅は、一般的な一戸建てやマンションに比べて買い手がつきにくく、そのまま放置してしまうと老朽化による近隣トラブルのリスクも高まります。
本記事では、長屋式住宅が売却しにくいとされる具体的な理由や、不利な条件を乗り越えて売却を成功させるための方法について解説します。
長屋式住宅の売却を検討している方や、少しでも好条件で手放したいとお考えの方は、ぜひご参考になさってくださいね。

長屋式住宅とは

長屋式住宅とは

長屋式住宅の売却に向けて、まずはその構造的な特徴や、共同住宅との違いを押さえることが重要です。
まずは、長屋式住宅の基本定義や構造について、解説していきます。

基本定義と歴史背景

長屋式住宅とは、1つの建物を横方向に区切り、2戸以上の住戸が連なる住宅のことです。
各住戸には専用の玄関があり、共用廊下を使わず道路や通路へ直接出入りできます。
一戸建てに近い独立性と、限られた土地を活かしやすい集合住宅の特徴を併せ持つ点が魅力です。
現在は、連棟式住宅と呼ばれることも多く、建築上は長屋に分類される住まいです。
江戸時代には都市部の職人や町人の住まいとして広まり、明治期以降は採光や通風に配慮した長屋も増えました。
戦後も住宅供給の手段として各地で活用され、今も地域によっては身近な住宅形式として残っています。

壁共有の構造的な特徴

長屋式住宅の大きな特徴は、隣の住戸と界壁と呼ばれる仕切り壁を共有していることです。
界壁には火災や音の広がりを抑える役割があり、日常生活の安心にも関わります。
ただし、壁だけでなく柱や屋根の一部を共有する場合もあるため、一般的な一戸建てとは修繕の考え方が異なります。
築年数が古い木造住宅では、建築当時の基準で建てられており、現在の基準と差があることもあります。
生活音の伝わり方や屋根裏の区画、防火の状態を事前に把握しておくと、買主へ説明しやすくなるでしょう。
売却前に専門家へ建物の状態を確認してもらえば、購入希望者も不安を整理しながら検討しやすくなります。

共同住宅との違い

共同住宅は、マンションやアパートのように、共用廊下や階段を通って各住戸へ入る建物です。
一方で、長屋式住宅は各住戸から直接外へ出入りできるため、暮らし方は一戸建てに近い印象があります。
この構造の違いにより、共用部分の管理や避難経路などに関する法律上の扱いも変わります。
共同住宅は、共用部分の安全規定や管理体制が整いやすい反面、長屋式住宅は管理費や修繕積立金がないケースも多いです。
維持管理の自由度がある一方で、外観や修繕状況は各所有者の判断に左右されやすくなります。
売却時は構造や管理方法の違いを整理し、実際の暮らしやすさとあわせて伝えることが大切です。

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長屋式住宅の売却が難航しやすい3つの理由

長屋式住宅の売却が難航しやすい3つの理由

前章では、長屋式住宅の構造的な特徴について述べましたが、実際に売却するとなると少し工夫が必要です。
ここでは、長屋式住宅が売却しにくいとされる原因について、解説します。

厳しいローン審査

長屋式住宅の売却では、買主が住宅ローンを利用しやすいかどうかが大きなポイントになります。
金融機関は担保評価をおこなう際、将来の売りやすさや換金のしやすさを重視する傾向があります。
長屋式住宅は築年数が古い木造物件も多く、建物評価が控えめになりやすい点に注意が必要です。
さらに、隣家と連なる構造のため、単独での解体や建て替えが難しいことも審査に影響します。
その結果、希望額まで融資が下りなかったり、利用できるローン商品が限られたりする場合があります。
建物状況や権利関係、修繕履歴などの資料を揃えておけば、買主が金融機関へ相談する際も話を進めやすいでしょう。

法的制約による影響

土地の評価に関わりやすいのが、将来的に再建築できるかどうかという法的な制約です。
建築基準法では原則として、幅4m以上の道路に敷地が2m以上接している必要があります。
長屋全体では条件を満たしていても、1戸だけを切り離すと接道条件を満たさないケースがあります。
その場合は再建築不可物件となり、建て替えの自由度が大きく制限されるでしょう。
また、前面道路の幅が4m未満の場合は、道路幅を確保するためにセットバックが必要になることもあります。
売却前に接道状況や建て替えの可否を確認しておくと、買主へ正確な情報を伝えやすくなります。

近隣トラブルの懸念

長屋式住宅は壁や屋根を共有しているため、維持管理の責任範囲を整理しておく必要があります。
雨漏りや外壁補修が発生した際、どこまでを誰が負担するのか曖昧だと、後のトラブルにつながりかねません。
管理組合がない場合は、所有者同士で直接話し合いながら修繕内容を決める場面もあります。
解体や大規模な改修をおこなう際は、隣家の同意や工事範囲の確認が欠かせないでしょう。
共有壁を切り離す場合は、防水や補強の内容を具体的に決め、書面で残しておくと安心です。
相続で所有者が複数いる場合も、連絡先や合意形成の流れを確認しておけば、買主が購入後をイメージしやすくなります。

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長屋式住宅を好条件で手放すための方法

長屋式住宅を好条件で手放すための方法

ここまで、売却が難しい理由を解説しましたが、好条件で売るための工夫も、しっかりと押さえておきましょう。
最後に、長屋式住宅を円滑に売却するための対処法について、解説していきます。

不動産会社の買取活用

長屋式住宅を早めに手放したい場合は、不動産会社による買取も有効な選択肢です。
買取とは、不動産会社が直接買主となり、現状のまま物件を引き受ける売却方法を指します。
一般の買主を探す期間を短縮しやすいため、資金計画や引っ越し時期を考えやすい点が利点です。
築年数が古い建物でも、専門会社が修繕や再販売を見据えて状態を確認してくれます。
残置物の撤去や解体を売主側で細かく手配せず、現状のまま相談できるケースもあります。
契約内容によっては契約不適合責任の負担を調整でき、引渡し後の不安を軽くしやすいでしょう。

隣家との共同売却

隣家と良好な関係を築けている場合は、共同売却を検討する方法もあります。
長屋式住宅は1戸だけだと敷地面積が限られ、建て替えや活用方法の選択肢が狭くなりがちです。
複数の住戸をまとめて売却できれば、1つの大きな土地として評価され、活用の幅が広がります。
一戸建て向けの分譲地や賃貸住宅用地として、事業者が検討しやすくなることもあるでしょう。
共同で進める際は、所有者ごとの権利関係や売却希望額、引渡し時期を丁寧に整理することが大切です。
不動産会社へ全体計画を相談すれば、単独売却よりも柔軟な提案を受けやすくなります。

改修工事による価値向上

建物の印象を高めてから売り出したい場合は、改修工事による価値向上も選択肢に入ります。
水回りや内装を整えるだけでも、購入希望者が暮らしをイメージしやすくなるでしょう。
長屋式住宅には古い柱や梁の温かみがあり、その雰囲気を好む買主もいます。
共有壁側に防音材を入れるなど、生活音への配慮を示せる工事も効果的です。
あわせて天井裏の区画や防火性能を確認しておけば、安心感を伝えやすくなります。
ただし、大規模な工事では隣家との同意形成や境界確認を事前におこない、合意内容を残しておきましょう。

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まとめ

長屋式住宅は隣の住戸と壁を共有しつつ、各戸に専用の玄関を持つ構造で、一戸建てに近い独立性や維持管理の自由度の高さが大きな特徴です。
売却の際は建物評価による厳しいローン審査や、幅4m未満の道路に面する場合の再建築の制限、共有部分を巡る隣家とのトラブルが課題となります。
好条件で売却するには不動産会社の買取を活用するほか、隣家との共同売却や改修工事による物件価値の向上を視野に入れて計画を進めると良いでしょう。

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