不動産売却時に影響がある心理的瑕疵とは?告知義務についても解説

事故物件×不動産売却

美馬 康介

筆者 美馬 康介

不動産キャリア12年

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不動産売却時に影響がある心理的瑕疵とは?告知義務についても解説

心理的に抵抗を感じるような物件を売却する場合、スムーズに売却できるのか不安に思っている方もおられるのではないでしょうか。
このような心理的瑕疵に該当する物件は、告知義務も課せられるため、買い手が付きにくいなど売却時にさまざまな影響を与えることがあります。
そこで、不動産売却における心理的瑕疵とはなにか、売却価格に与える影響と告知義務について解説します。
不動産売却をご検討中の方は、ぜひ参考になさってください。

不動産売却前に知っておきたい「心理的瑕疵」とは?

不動産売却前に知っておきたい「心理的瑕疵」とは?

不動産に関する瑕疵は、建物の構造などのように不動産そのものに不具合や欠陥がある場合だけでなく、心理的に抵抗を抱くような物件も瑕疵として扱われます。
これは、心理的瑕疵と呼ばれ、不動産売却において影響を及ぼすことがあります。
ここでは、心理的瑕疵について見ていきましょう。

心理的瑕疵とは

心理的瑕疵とは、不動産自体に問題はないものの、購入時や住む際に心理的な嫌悪感や抵抗感を与える物件のことです。
たとえば、自殺や他殺など、人の死が発生したような、いわゆる事故物件が該当します。
人の死でも老衰などの自然死は心理的瑕疵に該当しませんが、一定期間放置されたことにより特殊清掃が必要な場合は心理的瑕疵に含まれます。
また、人の死以外にも、指定暴力団など反社会的組織が近隣にある場合や墓地や刑務所など嫌悪感を抱く施設がある場合も、心理的瑕疵に該当する場合が多いです。

心理的瑕疵には告知義務が課せられる

心理的瑕疵がある物件は、建物の構造は問題なくても、生活するうえで心理的な影響を及ぼす恐れがあります。
そのため、このような物件に該当する場合は、買主にその旨を告知する義務が課せられています。
仮に、告知義務を怠った場合は、損害賠償請求や契約解除となる可能性があるため注意が必要です。
告知義務についての詳細は、後ほどご説明します。

心理的瑕疵とそのほかの瑕疵との違い

瑕疵には、心理的瑕疵以外にも以下の3つの瑕疵が存在します。

●物理的瑕疵
●法律的瑕疵
●環境的瑕疵


物理的瑕疵とは、建物や土地自体に問題がある場合を指します。
具体的にいえば、雨漏りやシロアリ被害、壁のひび割れが該当します。
法律的瑕疵とは、建築基準法など建物に関する法律に違反している物件のことです。
環境的瑕疵は、周囲環境に問題がある物件のことで、周辺に工場や高速道路があったり、近所に問題を起こす住民がいたりするような場合です。
環境的瑕疵は、心理的に嫌悪感を抱くだけでなく、日常生活に影響する瑕疵が該当します。
なお、環境瑕疵の内容によっては、心理的瑕疵に含まれる場合もあります。

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心理的瑕疵は不動産の売却価格に影響がある?

心理的瑕疵は不動産の売却価格に影響がある?

所有している不動産が心理的瑕疵を抱えている場合、売却価格に影響するのでしょうか。
ここでは、売却価格に影響があるのかについて詳しく見ていきましょう。

少なからず売却価格に影響を与える

一般的に、事故物件に該当する場合は、売却価格は相場よりも2~5割程度低下するとされています。
なぜなら、事故物件を購入しようと考える方は、少ないためです。
そのため、余程立地が良くない限りは、価格を下げざるを得ないといえるでしょう。
ただし、どのくらいの価格の値下げが必要かは、事故や事件の内容によって異なります。

価格の値下げ幅の例

不動産の査定では、一般的に立地や間取り、築年数などをもとに金額が決まります。
しかし、事故物件の査定では、これらにくわえて心理的瑕疵の内容が重視されます。
売却価格が50%下げるケース
売却価格が相場よりも50%下がるようなケースは、殺人事件により住人が亡くなったような場合です。
このような物件は、心理的瑕疵の度合いが大きいため、大幅な値下げが必要になります。
なぜなら、買主に以下のような印象を与えてしまうためです。

●遺体の体液や血液で汚れている
●亡くなった方の霊が出るのでは?と疑われる
●テレビやSNSで報道・掲載される
●事故物件サイトに掲載される


このように、強い嫌悪感を抱くことから、通常物件よりも50%程度の値下げが必要になります。
売却価格が20%下げるケース
老衰などの自然死は、事件性がないため、心理的瑕疵は少ないと判断されるのが一般的です。
しかし、高齢者の孤独死の場合、発見までに時間がかかるケースも少なくありません。
この場合、特殊清掃作業が必要なケースもあるため、心理的瑕疵がある事故物件として扱われることがあります。
殺人や自殺などと比べると、心理的瑕疵は少ないため、通常物件よりも20%程度の値下げで済むでしょう。
このように、心理的瑕疵の度合いによって、売却価格が変動することに注意しましょう。

心理的瑕疵の度合いは買主によって異なる

心理的瑕疵がある物件は、買主が購入するにあたって、心理的な抵抗感を抱く物件です。
しかし、実際は、居住に対して不安を感じるかは、買主によって異なります。
つまり、売主が重大な瑕疵だと思っていても、買主にとってはそれほど重大でない可能性もあります。
そのため、想定よりも値下げをしなくても売却できるケースもあるでしょう。

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不動産売却時に心理的瑕疵の告知義務を怠った場合どうなる?

不動産売却時に心理的瑕疵の告知義務を怠った場合どうなる?

前述したように、心理的瑕疵に該当する場合、不動産売却時に買主に対して告知をする義務が生じます。
ここでは、そもそも告知義務はどんなときに必要なのか、また告知義務違反した場合のリスクについて解説します。

告知義務の判断基準

実は、心理的瑕疵で難しい問題点は、どこから告知義務が必要なのかという判断基準です。
当然、自殺や他殺などは告知が必要になることがわかるでしょう。
しかし、室内で自殺未遂をした場合やその後病院で亡くなった場合は、告知義務が必要なのでしょうか。
法律によって、告知義務について明確な基準が設けられていないため、実際は過去の事例から個別に判断する必要があります。
なお、過去の判例では、自殺・殺人・不審死・変死や焼死などの不自然な死は、告知義務が必要とされています。
一方で、自然死の場合や病院で死亡した場合、不慮の事故については告知義務は生じません。
ただし、自然死であっても、長期間放置されていたような場合は、告知義務が発生するため注意しましょう。

告知義務が発生するのはいつまで?

告知義務が発生する期間は、明確にいつまで必要と定められているわけではありません。
しかし、売買の場合は、6年経過するまでは告知義務が必要とされています。
また、売買物件の場合は、事故物件を購入した方がさらに転売するときは、告知義務がなくなると考えられています。
このように、心理的瑕疵については、ある程度期間が経過すれば、告知義務はなくなると考えておきましょう。
しかし、心理的瑕疵の内容によっては、経過年数に関係なく告知したほうが良いケースもあるため、個別に判断が必要になります。
なお、告知義務に違反すると、買主は売主に対して契約解除や損害賠償を請求することができます。
このようなリスクを防止するためにも、隠さずに正しく事前に伝えることが大切です。

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まとめ

心理的瑕疵は、建物自体に問題なくても、心理的な抵抗感や嫌悪感を抱くような物件を指し、告知義務も課せられます。
とくに、他殺や自殺などは、心理的瑕疵の度合いが大きいことから、売却価格に大きく影響する可能性があるので注意が必要です。
なお、告知義務が必要にもかかわらず、それを怠った場合は、損害賠償を求められたり、契約解除を申し入れられたりするため、しっかりと伝えることが大切です。